現実世界[恋愛]

初恋が唇に触れる時季

ごくり、と飲み込む三ツ矢サイダーの味は、ほろ苦い。…どうしてだろう…。
初恋を経験した私が飲んでいたのは…『アクエリアス』だったはずだ。
…そう…だったよね?
車窓から、あの懐かしい風景が、近づいてくる。

エメラルドグリーンの海が陽光にきらめいていて、空を見上げれば尾道大橋が視界に入る。
海が見える、海が見えた。
何年かぶりに見る尾道の海は懐かしい……っていうのは、林芙美子だったっけ。
私は今日、お嫁に行く。

…ああ!私の大好きな、あのまばゆいばかりに輝く海、光の洪水へと、私の麦わら帽子が吸い込まれて行く。
風に…ひるがえり…そう、私自身の屈託のない笑い声とともに…ひるがえりながら…、
その帽子を、前を歩いていた少年の手が、しっかりとつかむ。
笑いながら振り返る少年の顔は、いつしか私とともに大人へと成長し、そして…。
私は今日、お嫁に行く。
いくつものあの人との想い出を、心という名前の宝石箱にちりばめながら。

スクールラブ / 日常 / 青春 / ホームドラマ / 「初恋」企画 / 昭和 / 双子の姉妹 / 尾道 / 高校生 / 広島 / 初恋 / ハッピーエンド
全54話完結 2016/12/25 10:37更新
159,752字 (2958.4字/話) 35%
日間P
-
総合P
361
ブクマ
84
平均評価
8.39
感想数
19
レビュー
7
評価頻度
27.38%
評価P
193
評価者数
23
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2026/09/13 02:01
※googleにインデックスされているページのみが対象です