異世界[恋愛]

とある悪女の離婚劇

「僕が……僕が、過ちを犯したばかりに……!」

「そうですね。でも仮にクラウス様が清廉潔白だったとしても、同じ結果になったかもしれません。だってクラウス様……子供に憧れてましたものね。私と同じで」

 ぷるぷると震えていた彼だったが、最後に一縷の望みをかけるかのように、とんでもないことを口走った。

「僕達、ベルナデットが来るまでは、幸せな結婚生活を送っていたよな……?」

 今となっては、それすらも悔やまれるほどだ。

「もう一度やり直せないかな……?」

「別の女を抱いた手で、もう一度私を抱けるとお思いですか?御免被りますわ。私は貞淑でありたいと思ってますので」

「うっ……ううっ……!」

 その後クラウスは、乗ってきた馬車に泣き顔のまま乗り込んだ。向かう先はボロボロになった屋敷か、それとも義両親の屋敷か。



 これは、離婚をすれば全てが終わると思っていた一人の悪女と、選択を間違えた愚かな男女の物語である。

R15 / 残酷な描写あり / ネトコン13 / シリアス / 女主人公 / 西洋 / 悲恋 / 離婚 / 悲劇 / 既婚
短編 2025/05/20 21:00更新
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最終取得日時:2025/12/16 12:30
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