純文学[文芸]
萎れた葡萄
「なぜ金を支払ってまで、老いた女を抱くのか」――黴臭い六畳一間で、私はその答えを反芻していた。
暴力団の落伍者だった父を持ち、汚辱に塗れた人生を送ってきた私。脳裏によぎるのは、かつて「家族ごっこ」を演じた義母と義弟の記憶だ。彼らの歪な親愛に抱いた醜悪な嫉妬心と、憎悪の果てに起こしたある事件が、今も私の心を蝕んでいる。やがてチャイムが鳴り、生活に疲れた厚化粧の女が現れる。それは今の私が金で買える唯一の「母性」の成れの果てだった。三十を過ぎた男が、若さも張りもない他人の肉体に溺れる時、そこに現れるのは性欲か、それとも――。
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短編
2025/12/10 12:30更新
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最終取得日時:2026/04/05 12:11
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