【2025.3.23　番外編の連載を始めました】

崖から落ちた伯爵令嬢のシェリルが目を開けると、ぼんやりと映るのは真っ黒な服装の男二人。
手も足も縛られ、身動きできずに冷たい床に転がされ、惨めで虚しい状況に涙をこぼすと、ふと男のうちの一人が近づき、クイッと顎を持ち上げられる。
じっと見つめるその男・エリオンの瞳は漆黒。
とても美しくて、こんな時でもついつい見惚れてしまった。
「宝石みたいで綺麗……」
そして自分のいる場所が隣国・エーデルアルヴィア王国内にある辺境の地・ベリタスだと知る。
崖から落ちたのに、なぜか生きていることを不思議に思うシェリル。
そしてシェリルは少しずつ自分のことを話し始めた。
エリオンの部下・アランに年齢を聞かれたシェリルは考え込む。……あら、私何歳だったかしら？　
「えーっと……13……で、すぐ14で、そこから3年で、たぶん……17歳？」
「あなた、自分の年がわからないのですか？」
「あー……まぁちょっといろいろ訳があって」
苦難続きのシェリルの過去。そこには祖国の秘密、そして陰謀と呪いの真実が隠されていた。
そして――
「じゃあ約束だ」
「うん、約束」
幼い頃に交わされた約束の真実とは。
幾千もの遥か遠い昔に引き裂かれた運命が、今また繋がる。

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試練だらけのヒロインの転落と目覚め、そして出会いの恋愛ファンタジー。

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※R15は一部に少々の残酷描写が含まれるため、念のため付けております。