ハイファンタジー[ファンタジー]

婚約破棄された公爵令嬢が「どこにも行かず、ただ走らせて」と言ったので、辻馬車は夜の王都を走り続ける

公爵令嬢クラリス・レーヴェンハイトは、王宮夜会で王太子から婚約破棄を告げられた。

理由は、彼女が「民の心を知らぬ冷たい女」だから。

聖女候補ミリアのように民の前で涙を流せず、孤児院の毛布、炊き出しのパン、施療院の薬草代、戦死者遺族への補償——そんな実務ばかりに熱心な女は、王太子妃にふさわしくないと言われたのだ。

夜会を追い出されたクラリスは、雨の王都で一台の辻馬車に乗る。

「どちらまでですか?」

御者の問いに、クラリスは答えた。

「どこにも行かなくていいわ。ただ、走らせて。止まらないで」

その馬車は、失くしたものを探す客を、本当に探している場所へ連れていく不思議な馬車だった。

クラリスが探していたものは、王太子の愛ではない。
婚約者の地位でもない。
公爵家へ帰る場所でもない。

それは、自分の心がどこにあるのかという答えだった。

そして翌朝、王宮は知ることになる。
自分たちが切り捨てたものが、王都を支えていたのだと。

シリアス / 男主人公 / 女主人公 / 西洋 / 中世 / ハッピーエンド / 王太子 / ざまぁ / 聖女候補 / 有能令嬢
短編 2026/05/10 11:42更新
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最終取得日時:2026/05/13 12:05
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