幼馴染たちの挽歌(エレジー) ~幼馴染たちは、幼馴染の心を幼馴染から取り戻す!~
【第4回HJ小説大賞後期一次選考通過作品】
大学二年生の本郷颯大(ほんごうそうた)は、最近少し疎遠になっていた一歳年下の幼馴染の沢渡未来(さわたりみく)から、“大切な話があります”と呼び出された。
彼女の言う“大切な話”が、自分への告白だと確信した颯大は、興奮と期待を抱きながら、以前よりもぐっと大人びた未来と再会する。
そして、昼食を摂る為に入った牛丼屋で、早々に未来から“大切な話”の内容を打ち明けられるが……それは、彼の予想したものとは全く違っていた。
「そうちゃん、私ね……彼氏が出来たの」
思いもよらなかった未来の言葉に、颯大は大いに愕然とし、激しく狼狽する。
だが、家に帰って落ち着いた颯大は、思い悩んだ末に、未来と彼氏の初デートの場に自分も行き、こっそり監視……もとい、見守る事に決める。
そして翌日、ふたりの待ち合わせ場所に紛れ込んだ颯大は、ふたりの後をつけようとするが、その矢先に不注意から小柄な女の子とぶつかってしまう。
彼女の名前は、立花瑠璃(たちばなるり)。
何と彼女は、未来と颯大と同じように、未来の彼氏である藤岡穂高(ふじおかほだか)の幼馴染であり、颯大と同じように、密かに思いを寄せていた穂高に彼女が出来た事に納得できず、ふたりのデートを監視(場合によっては妨害)しようとしていたのだった。
成り行きから一緒に行動するふたり。
そして、何事もなく未来たちのデートが終わった事を見届けた後、瑠璃が颯大に対し、驚きの提案をするのだが――。
果たして、瑠璃が口にした“協力”という提案の内容とは……?
自分から離れてしまった幼馴染の心を取り戻す為、奮闘する幼馴染“たち”が繰り広げるドタバタ恋愛譚、ここに開幕!
*同内容をノベルアッププラスでも公開しております。
788,970字 (2621.2字/話) 51%