誰かの床を這いつくばって拭く毎日──それが、28歳、年収100万円の無財希（なしき のぞみ）の現実だった。
努力しても報われず、声は誰にも届かず、希望を失いかけたその夜。
希は静かに、人生の終わりを決意した──。

だが、絶望の淵で出会ったのは、ボロボロの傷だらけ、不気味な“喋るマスコット”だった。

「君の命、もらったチー。これから“悪人”を片付けるチー」

意味のわからない言葉とともに、希は金色の髪を揺らす美少女《魔法少女・マネーヘイト・ノゾミ》へと変身を遂げる。

手にしたのは、年収が“見える”特殊なスコープ。討伐対象は、年収1000万円以上の高所得者。
この社会で最も救われない者が、今、最も強大な力を得た──。

狙うは、金持ち、上級国民、そして権力者たち。
理不尽に踏みにじられ続けた彼女たちが、ついに立ち上がる。

「私たちは、ずっと踏みにじられてきた。もう黙ってはいられない──」

これは、魔法少女の幻想ではない。
現代社会の格差と不正を断罪する、最底辺からの逆襲譚。

さあ、物語は今、ここから動き出す──。