現実世界[恋愛]

「ねぇ先輩、『かわいい』だけじゃダメですか?」

美少女すぎるが故に友達のいない女子高生、加賀谷桃は、ある日屋上で先輩に出会い、その日から一緒にお弁当を食べるようになる。


「……で、先輩。今日はお姉ちゃんと何回話せたんでしたっけ?」

「まだ今日は続くから明言はできないだろ!」

「……0回って正直に言えばいいのに」

「目は! 目は3回あってるんだよ!!」

「先輩の哀れな妄想か、暑さで幻覚でも見たか、もしくは気のせいじゃないですか?」

「どれだけ俺を疑ってるんだよ! 気のせいじゃねーよ! 絶対俺の方見てたもん!!」

「はいはい、そうだといいですねー?」


中庭にいる姉のことを見つめている先輩と、昼休みにくだらない話をしながら過ごす。それだけでよかった。ただ、それだけでよかったのに。

いつから私達の関係は、おかしくなってしまったのだろう。


『ねぇ、先輩。私のそばにいてくれないなら、誰とも幸せにならないで』


───この感情はいつか、私を傷つける。

私の恋はきっと、少女漫画みたいに綺麗じゃない。苦しくて恋しくて痛くて、奪ってでも欲しいの。先輩のことを、誰にも渡したくない。

先輩、私のために泣いてください。ずっと今日のことを考えて煩うほど、私を想ってください。



圧倒的に『かわいい』が故にこじらせてしまった『小悪魔一途な後輩美少女』が、姉のことが好きな優しくて鈍感な先輩と屋上で出会って、幸せになるまでの話です。

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年の差 / スクールラブ / 青春 / ラブコメ / 小悪魔後輩ヒロイン / 先輩 / 一途 / 健気 / 美少女 / 芸能界 / 『かわいい』 / ハッピーエンド
短編 2020/12/16 20:02更新
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最終取得日時:2024/12/26 01:33
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