コメディー[文芸]

去り際

 とある病院のベッドの上にいる男。彼はまさに今、息を引き取ろうとしていた。しかし、さほど恐怖を感じておらず、人生に後悔も抱いていない。その理由は……。

「あなた……」
「父さん……」
「お義父さん」
「おじーちゃん……」

 薄目を開けて見渡すと、自分のそばに家族の姿があった。彼は思う。まさしく大往生。良き人生だった、と。しかし……。

「ん?」

「あ、どうも」

「え、誰だ……?」

 彼は家族の間に見知らぬ男がいることに気づいた。その男はニッコリと微笑み、言った。

「お疲れ様です」

「いや、あんたは……?」

「私は悪魔です」

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短編 2024/09/17 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:22
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