ローファンタジー[ファンタジー]

鏡に映る私は、鏡の中にいた私

「真夜中の12時ちょうどに鏡を見ると、鏡に映る自分だけが笑うんだって……。それを見ちゃうと本当の自分は鏡の中に閉じ込められて、鏡の中の自分がこの世界に入ってきちゃうんだよ」

真夜中の12時に笑う自分。
鏡を見ながら瑞稀は、ふと子供の頃に聞いた怖い話を思いだす。
今はもう真夜中の12時に差し掛かる時間だ。

『鏡に映る自分が違う自分なら、私もその別世界に行ってみたい。この世界じゃないどこかに行きたい』
そこまで考えて、瑞稀は自分でもおかしくなってしまい、小さく笑った。
鏡の私も小さく笑っている。

……今、動きがズレた。
違和感に気づいた時、世界が反転する。

今、瑞稀のいるこの世界は、かつて鏡に映っていた瑞稀の世界だ。
かつて鏡に映っていた瑞稀は、今は元の瑞稀のいた世界にいる。



ややこしい夏の物語をお届けしようと思います。

異世界転移 / パラレルワールド / 入れ替わり / 現代の異世界 / 怖くない怪談
短編 2024/08/01 00:00更新
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最終取得日時:2025/11/02 12:23
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