異世界[恋愛]

婚約解消された公爵令嬢ですが、帝国へ留学したら天才と呼ばれました~今さら復縁したいと言われても図書館の方が大事です~

フランセ王国の公爵令嬢テリーヌ=カンヌジェルは、王太子妃候補として幼い頃から厳しい教育を受けてきた才女である。しかし彼女には誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶を持っていることだった。

前世の彼女は病弱な少女だった。白い病室で長い年月を過ごし、自由に外を歩くこともできず、本だけを友として生きていた。冒険譚や歴史書、異国の文化を紹介する本を読みながら、いつか広い世界を自分の目で見てみたいと願い続けた。しかしその夢を叶えることなく生涯を終えてしまう。

そして転生した今世では、健康な身体と恵まれた環境を手に入れた。だからこそテリーヌは、王妃の座よりも広い世界への憧れを密かに抱いていた。

そんなある日、婚約者である第一王子アルフレッドから呼び出される。王子は伯爵令嬢リエットとの恋に溺れ、「真実の愛に目覚めた」と宣言。そしてテリーヌとの婚約解消を求めてきた。

普通の令嬢なら悲しみ、怒り、あるいは涙を流しただろう。しかしテリーヌは驚くほど冷静だった。むしろ婚約から解放されることで自由な時間が増え、本を読めるようになることを喜んでしまう。予想外の反応にアルフレッドは困惑するが、テリーヌはあっさりと婚約解消を受け入れてしまう。

その夜、父であるムニエル=カンヌジェル公爵に報告すると、公爵は娘の本心を見抜いていた。幼い頃から本を愛し、未知の世界に憧れ続けていた娘のために、一通の手紙を用意していたのだ。

それは大陸最強国家スペイラ帝国にある名門・帝立学院からの留学招待状だった。テリーヌが執筆した論文や卓越した語学力が高く評価され、特別留学生として迎えたいという正式な申し出である。

夢にまで見た異国への旅路。
テリーヌは迷うことなく即答する。

「行きます!」

こうして婚約解消によって自由を手にした公爵令嬢は、広大な世界を知るため帝国へ旅立つことになる。

だが、そこで彼女を待っていたのは最先端の学問、個性豊かな留学生たちとの出会い、そして世界の常識を覆す数々の事件だった。さらに帝国では、彼女の知識と才能に注目する皇族や貴族たちが次々と現れ始める。

一方、自分から婚約を破棄したはずのアルフレッド王子は、テリーヌがいなくなって初めて彼女の価値に気付き始める。王国を支えていた優秀な婚約者を失ったことで、彼の周囲では少しずつ問題が表面化していく。

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短編 2026/06/05 18:20更新
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最終取得日時:2026/06/24 12:06
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