ヒューマンドラマ[文芸]

誤字報告したら殺す

「おいおい、田中。お前、また誤字があるぞ。本当に大卒か? 中卒じゃないのか?」

「すみません……」

 とある会社。社内文書を突き返された田中は、肩を落としてため息をついた。
 彼には、どうしても誤字脱字がつきまとった。何度見直しても、必ず何かを見落としてしまう。特に文章が長くなると、その傾向は一層顕著になった。
 さらに厄介なことに、一部を修正すると、そこから新たなミスが生じる。まるで、穴を塞ぐたびに別の場所から水が漏れる壊れた船のように。

「ただの新入社員歓迎会の案内だぞ。それをなあ、『親友社員』だの、『ガキのとおり歓迎会を開催いたします』だの、間違いが多すぎる。ふざけてんのか?」

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短編 2025/04/12 11:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:11
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