賢者の石を手に入れた在宅ワーカーだけど、神様って呼ばれてるっぽい
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フリーランスのWebデザイナーとして、都心のマンションで静かな日々を送る橘栞(たちばな しおり)。彼女の趣味は、複雑なルールのゲームを解析し、最適解を導き出すこと。そんな彼女の日常は、ある日、目の前に現れた【スキル『賢者の石』を入手しました】というウィンドウによって、静かに終わりを告げる。
万物を対価(コスト)に変え、新たな能力を獲得できるその力に、栞は恐怖ではなく、底知れない探究心を燃やす。手始めに獲得した『念動力』。しかし、その力に十万円もの対価を要したことで、彼女はより効率的な対価の調達方法を模索し始める。
そして見つけ出した答えは――「所有権の放棄されたモノ=ゴミ」を、日本中から遠隔で吸収すること。
彼女の活動は、社会の厄介者である産業廃棄物を処理する、まさに「社会貢献」のはずだった。
しかしその裏で、日本政府は未曾有の国難に直面していた。何の痕跡もなく、一夜にしてトン単位の物質が消え去る『広域物質消失事象』。物理法則を無視したその現象を、政府は人知を超えた存在――コードネーム『神(KAMI)』による干渉と断定。総理大臣直轄の極秘チームが結成され、見えざる敵の正体を追うが、調査は混迷を極めていた。
自分の「趣味」が国家非常事態になっているとは夢にも思わず、今日もスキル解析に没頭する栞。
果たして、怯える国家と、無自覚な神との間に、対話の日は訪れるのか?
これは、神の椅子を目指すことを決めた冷静な女と、その存在に振り回される国家との、壮大で奇妙な勘違いの物語である。カクヨムとハーメルンにも掲載してます。
418,891字 (4870.8字/話) 28%