ヒューマンドラマ[文芸]
残酷な子供
おれは幼い頃、クラスが二つしかないような、田舎の小学校に通っていた。
よく一緒にいた連中も学年がバラバラで、外から見れば仲良くしているように映ったかもしれないが、実のところは違って、そこには明確な上下関係が存在していた。中でも一番年上で体が大きな男子は言わばリーダーのポジションであった。
「止まんなよ、シンタイ!」
「ちげーよ! あーいうのは、ちてきしょーがいしゃって言うんだよ」
「どっちでもいいよ。おい、早く歩けよ」
言葉の意味をよく理解せずに使う年頃だった。いや、意味は分かっていた。ただ、そう言われた相手がどう感じるかを想像できなかった。あるいは、する必要ないと無意識に思っていたのかもしれない。自分よりも劣った人間の気持ちなど。
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2024/06/06 16:00更新
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最終取得日時:2025/07/09 12:27
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