異世界[恋愛]

運命の番? そんなモンは知りません。この世界に白馬の王子様はいないようなので、私は喜んで退場させていただきます。

 断罪シーンの立ち位置で、自分が転生者のヒロインだと自覚したアンジュ。しかし、アンジュには目的があった。それは自分の叔母である現王妃を救い出すこと。

 番というものが絶対のこの世界で、政略結婚の末に現国王の番の影に追いやられた叔母。白い結婚のまま王宮で肩身の狭い思いをした後に、毒殺未遂をされてしまう。

 そんな叔母を救うためには、国王の王弟殿下であるアレン様に近づきその力を借りること。しかし目的があって近づいたアンジュをアレンは運命の番として見染める。

 ただ殿下には国王と同じく、公爵令嬢のティナという婚約者がいた。ティナは王妃となるために教育を受け、ただ殿下を素直に愛してきた。

 その殿下を番という立場の者に、すんなりと盗られてしまう。その悔しさからアンジュへのいじめが始まった。

 そして自分をいじめたために断罪されるティナを見た時、アンジュの中で考えが変わる。

 国王と同じことを繰り返そうとする王弟殿下。殿下にとって自分が番であっても関係ない。少なくともアンジュにとってアレンは、前世で夢見た白馬の王子様ではなかったから……。

 ティナの手を引き、アンジュはヒロインからの退場を宣言する。

「殿下にとって私は運命の番でも、私にとっては運命ではなかったみたいです」

異世界転生 / 身分差 / 悪役令嬢 / 小学館FTノベル賞 / 女主人公 / 異世界恋愛 / 短編 / ハッピーエンド / ざまぁ / 番 / 恋愛 / 断罪イベント / 運命 / 白馬の王子様
短編 2023/05/02 22:26更新
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最終取得日時:2024/05/17 12:35
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