異世界[恋愛]

悪役令嬢は婚約破棄の最中にカレーを作る

「ルリア、ただ今をもって、君との婚約を破棄する!」
「――!」

 国中の貴族が集う煌びやかな夜会の最中。
 私の婚約者であり、我が国の王太子殿下でもあらせられるガラム殿下が、唐突にそう宣言した。
 そ、そんな――!
 ――私はおもむろに玉ネギをくし切りにし、それを油を引いた寸胴鍋に投入してさっと炒める。

「どういうことですか殿下! 理由をご説明ください!」
「フン、しらばっくれても無駄だぞ! 君がタメリに裏で陰湿な嫌がらせをしているのはバレているのだからな!」
「嗚呼、ガラム様……」

 男爵令嬢のタメリさんが、悲愴感漂う表情を浮かべながら殿下にしなだれかかる。
 そ、そんな――!
 ――玉ネギが飴色になってきたら、一口大にカットしたニンジン、ジャガイモ、豚こま肉を入れ、それらに火が通ったらたっぷりの水を追加し、中火でコトコト煮る。

「誤解です殿下! 私はタメリさんに嫌がらせなどしておりません!」

ESN大賞6 / ギャグ / ハッピーエンド / 悪役令嬢 / アイリスIF4大賞 / 婚約破棄 / ざまぁ / 女主人公/一人称 / 異世界恋愛小説 / ほのぼの/コメディー / 短編 / ざまあ / 123大賞4
短編 2023/04/07 21:04更新
2,591字 50%
日間P
2
総合P
2,922
ブクマ
128
平均評価
7.93
感想数
29
レビュー
5
評価頻度
262.5%
評価P
2,666
評価者数
336
週間読者
-
日間イン
0回
ベスト
圏外
最終取得日時:2024/05/20 12:36
※googleにインデックスされているページのみが対象です