異世界[恋愛]
側室を迎えた夜に私が泣いたのは、悲しかったからではありません
涙の正体は、悲しみではなかった。
嫁いで十年。
リーゼロッテは夫に名前を呼ばれたことがない。
屋敷の帳簿、来客の席順、領民の嘆願。
すべてを一人で回し続けてきた。
誰にも頼まれず、感謝もされず。
契約書に書かれた義務は、月一度の報告書だけだった。
残りのすべては、好意だった。
ある日、夫が側室を迎える。
相談はない。
事後の通達だけが届いた。
夜、寝室でひとり、頬を涙が伝う。
けれど胸の底にあるのは安堵だった。
もう、この人のために尽くさなくていい。
翌朝から彼女は好意のすべてを止める。
屋敷を去るのではない。
いたまま、契約の義務だけを守る。
朝食の配膳が消え、席順表が消え、嘆願の返答が消える。
代わりを申し出た側室には、何ひとつできない。
夫は初めて、名前すら呼ばなかった妻の仕事を数え始める。
好意を止めた女は、まだそこにいる。
その沈黙が何を壊すのか、夫はまだ知らない。
AI直接使用 / 異世界 / 女主人公 / 恋愛 / ざまぁ / 復縁拒否 / 貴族 / 側室 / シリアス
全8話完結
2026/07/24 13:13更新
23,183字 (2897.9字/話) 18%
23,183字 (2897.9字/話) 18%
日間P
130
総合P
228
ブクマ
30
平均評価
7.64
感想数
1
レビュー
0
評価頻度
73.33%
評価P
168
評価者数
22
週間読者
-
日間イン
1回
ベスト
155位
最終取得日時:2026/07/25 12:05
※googleにインデックスされているページのみが対象です