空想科学[SF]

ひとり分の地球——各家庭にミニ地球が配られたので、うちのリビングで海辺の町が沈みました

 各家庭に、環境省から「ミニ地球」が届いた。

 それは、その家庭の電力使用量、食生活、移動、廃棄物などをもとに、小さな球体内の環境が変化する教材だった。

 父の浩一は、最初はただの模型だと思っていた。けれど娘の芽衣は、球体の中にある海辺の町に名前をつけ、観察日記をつけ始める。

 エアコンを強くすると砂漠が広がる。食品ロスで海が濁る。車移動で山が崩れる。

 そして、ある日のバーベキューで海辺の町が沈みかけたとき、ミニ地球の中から声が届いた。

「こちらにとっては、本物です」

 リビングの棚に置かれた小さな地球を通して、家族は「見なかったことにしてきたもの」と向き合い始める。

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短編 2026/05/07 18:00更新
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最終取得日時:2026/05/12 12:07
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