異世界[恋愛]
公爵家の食卓を十年支えた料理番の私が辞めた朝、坊ちゃまは初めて泣きました
蜂蜜は最後に入れる。先に入れると苦みが出る。
十年間、マーサは毎朝それだけを考えて公爵家の厨房に立ってきた。
夫である公爵が愛人の料理人を連れてきた日、マーサは包丁を磨き、エプロンを畳み、静かに門を出た。振り返らなかった。
向かった先は、亡き祖母が食堂を営んでいた港町。
潮風の中で出会ったのは、食べ物の感想だけは饒舌になる寡黙な交易商。
一方、残された公爵家では、七歳の坊ちゃまが新しい料理長の食事を一口も食べられずにいた。卵と乳製品のアレルギー。その対応を知っていたのは、マーサだけだった。
包丁を置いてきた女の手には、祖母の形見のまな板がひとつ。
空っぽの厨房に残された三本の包丁が、やがて公爵家の食卓だけでなく、二つの国の関係までも揺るがすことになる。
ハッピーエンド / ざまぁ / 女主人公 / 西洋 / 料理 / 離縁 / 溺愛 / 貴族
全10話完結
2026/03/24 12:04更新
21,545字 (2154.5字/話) 31%
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最終取得日時:2026/03/25 12:05
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