ハイファンタジー[ファンタジー]

悪役令嬢?前世は優しいおばあちゃんでした!

ふわふわで、ふっかふか。

天蓋つきのベッドで、私はすやすやと眠っていた。
お部屋はほんのりとお花の香り。枕元には、執事のノアが選んでくれたラベンダーが置かれている。

「お嬢様、お水をお持ちしました」

お水なんて今はいらない。眠たいんだもの。もう少しだけ、この夢みたいな世界に浸っていたい。

 ……夢みたい?

 本当に、夢の中みたい――でも、なんだか少し違う。
 さっきまでいたふわふわのベッドではなくて、私は今、見たことのない場所にいた。

 真っ白な床。白い壁。私以外なにもない。
 しん…と静まり返った、不思議で音のない空間。

「ここ……どこ?」

 ぽつりとつぶやくと、その声がやけに澄んだ音で響いた。

 そのとき――足元に何かが落ちる音。
 見ると、そこには一冊のノートがあった。くすんだ金色の文字で、表紙にはこう書かれている。

異世界転生
短編 2025/05/02 02:48更新
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最終取得日時:2025/05/03 12:05
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