改造人間、ダンジョンに潜る ~スキルではなく自前の肉体で、ダンジョンを征く~
俺、南門原九朗(なもんばら・くろう)は改造人間である。
仕事を終え、ベッドで眠りについたと思ったら……気が付いた時には手術台に拘束されていて、謎の医者集団によって改造手術を受けていた。
『この後、脳を完全に改造する』と宣告を受けて絶望していたら、ヒーローっぽい何者かの助けによって辛くもその場を脱出することに成功した!
――の、だが。
研究施設のような場所で爆発に巻き込まれた俺は……気が付いたら『以前と似ているようでどこか違う日本』にいた。
そこは、日本中に『ダンジョン』のある『現代』だったのである。
年号は令和ではなく『聖和(しょうわ)』で、都道府県の名称も同じようでちょいちょい違う。
そして、四国はヒトの住めない土地になっている。
身一つで脱出した俺には身分証もないし、そもそもこの世界の人間ではない。
働こうにもこっちの日本はやけに身元確認が厳しく、戸籍がないせいで就職どころか日雇いアルバイトもできない。
いや、国の機関に申請すればいいらしいんだが……その課程で身体検査があるから無理だ。
改造人間だと一瞬でバレてしまう。
もう一度モルモットになんかなりたくはない!
そんな俺に残された道は……前科があろうが住所不定だろうが就労できる、日本各地のダンジョンに潜る最底辺の職業、『探索者』になるしかなかった。
だが、ダンジョンの中は良くても外は依然として厳しい。
ホテルには泊まれるが、マンションも借りれやしない。
俺の出自からしてもそうだし、そもそも『探索者』の社会的地位は底辺だ。
保証人もいない俺にはどうにもできない……
「ダンジョンに潜り続けるしかない……」
自分の体のこともわかっていないし、俺の身分で金を稼げる場所はそこしかない。
戸籍も保険証もないんだからな……
この世界の人間は皆何らかの『スキル』を持っているが、俺は自前の肉体で切り抜けるぞ!!
え? スキル調査……? 断固として断る!!
ひょんなことから助けた改造人間に優しい女子高生探索者ギャルと一緒に、なんとか生きていくしかない……!
6,647字 (3323.5字/話) 33%