空想科学[SF]

国の政策は、すべて、まず佐藤さんで試します

国の新制度は、全国で始まる三か月前に、まず私一人の生活で試される。

私は統計局に雇われた、この国でただ一人の「試験国民」。国のいう「標準」に、いちばん近い男だからだ。

私に問題がなければ、国はこう答える。「試験では問題ありませんでした」。八十代の誰かが申請アプリを読めなくても、私には、問題がない。

ある日、ペットを飼う世帯が五割を超え、金魚一尾が貸与された。餌の「適量」が分からず駆け込んだ朝五時の定食屋で、私は夜勤明けの左利き、星野さんと出会う。

彼女は朝の五時に、生姜焼き定食を「夕食」として食べる人だった。

「私、切り捨てられる側の〇・四なんですよ。ずっと」

二十年「特に問題ありません」と書き続けた男が、初めて「問題があります」と書くまでの、近未来お仕事SF。

近未来 / 日常SF / 社会風刺 / コメディ / 人情 / 男主人公 / 統計 / 平均 / お仕事 / 金魚 / ハッピーエンド / ほのぼの
短編 2026/08/13 18:00更新
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最終取得日時:2026/08/16 12:05
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