聖女として異世界へ召喚された柚子。
けれどその役割を果たせないままに、三年の月日が経った。そして痺れを切らした神殿は、もう一人、新たな聖女を召喚したのだった。

柚子とは違う異世界から来たセレナは聖女としての価値を示し、また美しく皆から慕われる存在となっていく。

ここから出たい。
召喚された神殿で過ごすうちに柚子はそう思うようになった。
全てを諦めたままこのまま過ごすのは辛い。
一時、希望を見出した暮らしから離れるのは寂しかったが、それ以上に存在を忘れられる度、疎まれる度、身を削られるような気になって辛かった。

そこにあった密かに抱えていた恋心。
手放せるうちに去るべきだ。
そう考える柚子に差し伸べてくれた者たちの手を掴み、柚子は神殿から一歩踏み出すのだけど……

中編くらいの長さです。
ちょっと暗いかも。

※ 暴力的な表現がありますので、苦手な方はご注意下さい。

旧タイトル
聖女として召喚されましたが、役立たずでした

日間、異世界恋愛8位！(3/14) ……しかしジャンル設定を間違えていたようでした。ごめんなさい。
日間、異世界転生/転移1位！(3/15) わー、ぱちぱちぱち。
思っていたよりずっと沢山の方に読んで頂けました。ありがとうございます！