異世界恋愛 連載中・全3話

『王都の遺品整理人は、亡き人の嘘を片づける』

Deresuke・ごじゃっぺ・太郎 2026/08/01 公開 2026/08/01 16:49 更新

あらすじ

死者の愛用品に触れると、その人が生前、自分自身へ言い聞かせていた「最後の嘘」が聞こえる――。

不吉な力を持つと疎まれながらも、王都の片隅で遺品整理商会《帰り灯》を営むリゼットは、亡くなった人の品を整理し、残された家族へ返す仕事を続けていた。

ある雨の日、橋から身を投げたとされる伯爵夫人の部屋を片づけていたリゼットは、壁の中に隠された小さな子どもの靴を発見する。

その靴から聞こえたのは、

「私は、あの子を愛していない」

という、死者の嘘だった。

子どもがいなかったはずの伯爵夫人は、いったい誰を愛していたのか。

なぜ部屋には、年齢の異なる十五足もの靴が隠されていたのか。

さらに、王室検視官セドリックは、夫人の死が自殺ではない可能性を指摘する。

死者の心に残された嘘を聞くリゼットと、遺体や現場に残された事実だけを信じるセドリック。

考え方も性格も正反対の二人は、反発しながらも、夫人が命懸けで守ろうとした秘密を追うことになる。

けれど事件の先に待っていたのは、悪人を一人裁けば終わるような単純な真実ではなかった。

子どもを手放した母親。

母親に捨てられたと思い続けた娘。

家名を守るために沈黙した家族。

すべてを知りながら、何もできなかった使用人。

誰もが誰かを傷つけないために嘘をつき、その嘘によって、もっと深く誰かを傷つけていた。

これは、亡くなった人の秘密を暴く物語ではない。

捨てることのできなかった想いを遺品から拾い上げ、生き残った人がもう一度歩き出せるよう、静かに片づける物語。

そして、人の感情が分からない不器用な検視官が、いつしかリゼットの「平気です」という嘘だけは見逃せなくなっていく、二人の遅すぎる恋の物語でもある。

死者は、最後まで正直とは限らない。

それでも遺品には、言葉にできなかった本心が残っている。

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11/02 2 ±0 0 ±0
11/01 2 ±0 0 ±0
10/31 2 ±0 0 ±0
10/30 2 ±0 0 ±0
10/29 2 ±0 0 ±0
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