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筑波 十三号 2016/05/03 公開 2016/05/05 13:21 更新
「・・・先生ですよね」
彼はその一言で目が覚めたような感覚を感じた。
彼は作家は作家だった。その彼は今、予科練平和記念館にいた。彼は小説家だ。彼は高校卒業後、自衛隊に入隊し二年間そこに在籍した。その後、会社員になりそのかわら小説を書いていた。それはペンネームだった。
彼はこの阿見町で一人で暮らしていた。 そして彼の現在の職場はこの阿見町。彼は中古で買った軽自動車で毎日通勤している。
その彼は自分を呼び止めた彼女を知らなかった。
「先生、よかったらサインしてもらえませんか」
彼を呼び止めた彼女はバッグの中か本とペンを取り出した。
- 蒼天
空色の表紙に書かれたハードカバーのその本は彼が執筆したものだった。先生と呼ばれた男はあわててそれを受け取った。それは彼女の顔をじっとみいっていた。彼女はかなりの美人だった。そのせいもあったが彼にはその彼女の顔も雰囲気もだれかに似ているような気がした。
現在の季節は夏だ。八月だ。世間ではお盆といわれる時期だった。
「ここに予科練があったんですね」
「海軍予科練習生。土浦海軍航空隊にあったそうです」
彼女がそういうと作家はサインを書き終えそいういいながらその本とマジックを持ち主に返却した。その彼女はありがとうございますとそういうとまた彼に質問をした。
「ここで飛行機の訓練してたんですか」
「いえ、それは卒業してから航空隊で訓練してました」
「じゃあ、ここではなにをしてたんですか」
二人はそんな会話をしながら館内の見学をしていた。
彼女は今両手でその彼の書いた本を大事そうに持っている。今の彼女にしてみたら目の前にいるその作家は自分の大好きな作品を執筆した憧れの人物だ。
今度は彼から声をかけた。
「こんな話はどうですか」
そういって自らの小説のアイディアを提案した
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