異世界恋愛 短編

濡れ衣で名指しされ、粗い混ぜ物はしないと申しました。秋にお宅の紅板は光りません

久瀬 澪 2026/08/12 公開 2026/08/12 22:10 更新

あらすじ

「うちの紅に糠が混ざっていた。混ぜたのはこの者だ」——夏の初め、紅の講の座で、買い手が居並ぶ前で主人がわたくしを名指しした。

否定はいたしません。代わりに、三つ申し上げました。糠でございますか。わたくしがやるなら、そんな下手はいたしません。摘み時を三日ずらします。寒晒しを一度抜きます。刷きを二度で止めます。どれも見た目は変わりません。玉虫だけが出なくなります。

座が、しんと静まりました。最後に一人が申します。「……そりゃ、あんたにしかできん」。

紅の値は嵩ではなく、乾いたときの玉虫の光で決まります。十一年、それを立ててまいりました。手間賃は入って半年の甥と同額に割り直され、柱には匁と刷きの回数が貼り出されました。左様でございますね。紅は、赤ければ売れます。

椀を洗って伏せ、いつもの位置へ揃えて店を出ました。壊しも持ち出しもいたしません。やめるのは、手を入れることだけ。

秋。同じ匁を刷いた紅が、乾いても光りませんでした。小間物屋が灯へ傾けて首を振り、箱がそのまま返ります。誰も怒鳴りません。ただ次の月から、注文が来なくなりました。自分の店を持ったわたくしの前へ「戻ってくれ」と立った主人へ、あの一句をそのままお返しするお話。

ポイント

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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/28〜11/03(7日間)
ブクマ 1+0(7日間)
2 1 0 10/28 10/31 11/03
評価ポイント 30+0(7日間)
31 30 29 10/28 10/31 11/03

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/03 1 ±0 30 ±0
11/02 1 ±0 30 ±0
11/01 1 ±0 30 ±0
10/31 1 ±0 30 ±0
10/30 1 ±0 30 ±0
10/29 1 ±0 30 ±0
10/28 1 ±0 30 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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