異世界恋愛 短編

断罪の咎め十一は全部、わたくしが本の裏へ貼って隠した分です——裏打ちをやめました。冬を一度でお宅の本だけ反ります

久瀬 澪 2026/08/12 公開 2026/08/12 18:10 更新

あらすじ

「館の紙を裏へ貼って無駄にした。書き損じを溜め込んだ。指示と異なる手順を用いた」——広間の長卓で、伯爵はわたくしの咎めを十一まで数え上げ、本日より綴じ場から外すと申しました。

本は、表紙に貼る上等な紙で決まるのではございません。急かされて乾ききらなかった紙が、どちらへ逃げるか。窓際で乾いた紙は素直で、床近くで一晩過ごした紙は腹に湿りを抱えている。その逃げ足を裏で何枚押さえるか——一枚、三枚、二枚。表だけ見れば、なるほど不揃いの罪人でございます。

四年、その紙を「無駄」と呼ばれてまいりました。左様でございますね。では今日から、わたくしは一枚も裏へ貼りません。

道具は壊しも持ち出しもいたしません。置いてまいります。やめるのは、手を入れることだけ。

冬は一度で足りました。献呈本の背が浮く。頁が開かない。箔押しの家紋だけが、まっすぐのまま笑っております。誰も怒鳴りません。ただ、囃した口が順に閉じてゆきました。

書き損じを一枚だけ持って広間を出たわたくしへ、紙商が尋ねます——「あなたの裏打ちに、うちは月いくらお支払いすればよろしいか」。値を尋ねられたのは、四年で初めてでございました。

ポイント

総合ポイント 12
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/26〜11/01(7日間)
ブクマ 1+0(7日間)
2 1 0 10/26 10/29 11/01
評価ポイント 10+0(7日間)
11 10 9 10/26 10/29 11/01

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/01 1 ±0 10 ±0
10/31 1 ±0 10 ±0
10/30 1 ±0 10 ±0
10/29 1 ±0 10 ±0
10/28 1 ±0 10 ±0
10/27 1 ±0 10 ±0
10/26 1 ±0 10 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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