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見鏡りく 2024/02/05 公開 2024/02/05 23:42 更新
「大変申し訳ございません」サポート窓口の猫族の女が、とても気まずそうな表情で頭を下げた。
「勇者様がおっしゃっているチート保証とハーレム保証はですね、昨晩を持ちまして、期限切れとなった模様です」
俺は愕然とした。異世界転生をしてちょうど1年が経った日の翌日の話だ。
勇者として名を上げ、魔王を秒殺し、その後、王位継承して豊かな生活を送っていた俺が、一夜にして国を追われる羽目となった。とてつもない勢いで権力が瓦解した。
俺には王妃と側室、合わせて1000人の女が居た。昨晩までは。しかし999人は去ってしまった。光の速さで。
富も権力も女も失った俺は、急いで異世界サポート窓口に駆け込んだ。そこで対応してくれた猫族のナイスバディな雌がそう言ったのだ。
なんと『チート保証』も『ハーレム保証』も一年間という期限付きだったらしい。そんなの聞いていない。俺は食い下がった。だいたい、この世界にやってきた際、案内人の女神は確かにこう言ったはずだ。
「この異世界への転送にはハーレム保証とチート保証がちゃんと付属します。ご安心下さい。これであなたもハッピーライフを送れます。この世界はなかなかの優良物界ですよ!」
俺はその言葉を信じて、契約書に血判を押した。
しかし、サポート窓口の女が続けるには、小さな文字で「ただし保証は1年間有効」と書かれていたようだ。
そんなん知るか!
俺に残されたのは、謎にハードモードな世界と、少しのカネと、そして1000人居た女の中では一番どうでもいいと思っていた、可愛げもない、性欲も沸いてこない、側室にした記憶すらもない黒髪の女ただ一人だけだった。暴力をふるうDV女子だ。ああ、死にたい。
俺はその女に頭をぶん殴られながら、西を目指すことにした。
そこに再び栄光があることを信じて。取り戻すのだ! 本当の俺を! スローライフを!
※※ご注意下さい※※
この物語は、チーレムによって人生を狂わされてしまった平凡な男が、本当の自分を取り戻してスローライフを手に入れるための、壮大な西への魔王討伐譚です。チートもハーレムもスローライフもありません。
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