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五十五 望・いそい ぼう 2022/06/02 公開 2022/06/05 23:56 更新
22世紀。
車は空を飛んでいるか? → ごく一部ではYes。
人々は体にチップを入れ、デバイス化しているか? → ごく一部を除き、No。
テクノロジーの発展と共に、それをどれだけ受け入れるかに大きな差異が生じるようになっている。
先進国であればあるほど自然への回帰傾向が強い。
世界各地の自然の恵みが「世界資源遺産」となり、その遺産を有する国は大きな見返りを受け取れる時代だ。
ジェンダーはどうだろう?
多様化の波はますます世界に広がり、それにまつわる犯罪や不正も増加した。
その結果、今や多くの国ではジェンダーの確定と公開を余儀なくされている。
セクシュアリティ(SOGI)の身分証明示を義務付ける国も多い。
21世紀の中盤、かつてはバラバラだった南アメリカ大陸の国々が統一され誕生したのが、共同体国家ゼィロビークだ。
統一の立役者はフランス出身のルイ・ヴィクトワール。
経済システムと法秩序を一元化する一方で、各自治州の文化・言語は維持できるという国策が広く受け入れられた結果、ルイの望みとは裏腹に、ヴィクトワール家は象徴王家となり、官公庁の公用語はギアンヌ訛りのフランス語「ギアンヌ・フランセーズ」に、国民の多くもフランス語にポルトガル語が混在する「ポルト・フランセーズ」を使うようになっている。
ゼィロビークの現大統領は、国祖ルイの孫であり、かつては王太子であったゴードン・アルード・ヴィクトワールだ。
彼は自ら象徴王制の廃止を訴え、大統領選に出馬し、見事当選を果たしたのだ。
その当選後は国力が増大し、今や先進国入りを果たしていることもあって、絶大な支持を得ている。
しかし、大統領の私生活は不幸だ。バイセクシュアルの彼には苦く悲しい過去があり、現在は不遇の結婚生活を送っている。
一方、冷淡さと頭の良さで有名な美貌の青年、エドワード・カオル・カガは、ゼィロビーク空軍所属の情報士官、少尉である。
孤独なこの青年の過去は、深い謎に包まれている。
この物語は、22世紀という、そう遠くではない未来を生きる、ゴードンとエドワードという二人の男の運命を描いて行く長編である。
第一部は、その序章となる。
※この作品はPixivに掲載中のものを推敲した加筆修正版です。
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