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幻翠仁 2026/05/16 公開 2026/05/23 19:14 更新
海に転落し、すべての記憶を失った男――ハンス・シュミット。
静岡の小さな病院で目を覚ました彼は、自分が何者なのかも分からぬまま、医者や看護師たちの善意に支えられ、穏やかな日々を過ごしていた。
だが、その平穏は突然終わりを迎える。
現れたのは、灰髪の男・アルフェ。
彼はハンスに向かってこう告げた。
「お前の名前はスティン――裏社会で最も恐れられていた幹部だ」
半信半疑のまま連れ戻された先は、暴力と情報操作が支配する巨大犯罪組織。
身体だけは過去を覚えていたスティンは、記憶を失ってなお、異常な戦闘能力を発揮してしまう。人を殺すことに慣れきった肉体。理屈で心を守り、理によって人を消す世界。そして、かつて自分がどれほど冷酷な人間だったのかを、スティンは少しずつ知っていく。
しかし、彼の胸には消えない違和感が残っていた。
優しかった病院の記憶。“ハンス”と呼ばれていた時間。
それだけが、血に染まった現在の自分を強く拒絶していた。
やがてスティンは知る。
自分を救ってくれた人々が、“組織によって消された”という事実を。
――その命令を下したのは、他でもない、自分を守ろうとしていた男だった。
記憶を失った最強の殺し屋と、彼を過去へ引き戻そうとする灰髪の男。
これは、善意を知ってしまった怪物が、もう二度と元には戻れなくなるまでの物語。
***
原罪者の聖痕シリーズの外伝となります。
が、単体でも読める作品には、なっております。
原罪者の聖痕に登場するスティンを主人公に据えた、
アルフェやマーレボルジェ幹部との関係性を描く外伝です。
ローファン設定にしておりますが、本編では、異能要素はあまり出ません。
※Caitaにも投稿中です。
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