歴史 完結・全28話

陰陽の沫 〜瀬戸内鶴姫秘録〜

紘野 流 2026/06/10 公開 2026/06/12 22:10 更新

あらすじ

一人の少女の登場で、西国随一の大国の水軍が海上で総崩れとなった-----!
そんな女神をひと目見るべく、槍使いの少年は敵の将船へと乗り込んだ!

時は戦国時代。
周防山口を拠点に中国地方に覇を広げた西国最大の戦国大名・大内家は、瀬戸内海の制圧に乗り出した。
大三島・大山祇神社の大宮司職大祝家が指揮する三島水軍もその標的となった。
大内の大軍を前に総大将も討死し、あわや滅亡と思われたその時。
その総大将の妹----わずか十六歳の「鶴姫」が陣頭に立つや、戦況は覆り大内軍は大敗してしまう。

大内水軍で修行中の少年・弘中舵之丞は、その「鶴姫」の存在に大きく惹かれる。
そして大内水軍は再び、大三島へと進軍を開始。舵之丞もその一舟の中にあった。

後の世に「瀬戸内のジャンル・ダルク」として伝説化する、大祝家の鶴姫。
後に織田水軍や大友水軍らと死闘を繰り広げる水将となる、弘中舵之丞。
若き二将が刃を交え火花を散らす、沫に濡れる淡くせつない戦国譚。


【登場人物】

●弘中舵之丞 (ひろなか かじのじょう)
 大内家家臣、周防岩国領主・弘中隆包の実弟。元服前の十三歳。
 弘中家の悲願、岩国水軍の再興の夢のために、大内水軍の下で修行中。
 驚異的な平衡感覚を持ち、水上での鉤槍での戦いが得意。
 後の弘中方明。

●越智鶴 (おち の つる)
 瀬戸内の大三島、大山祇神社の大宮司大祝家の娘。十六歳。
 三島水軍を率いた兄・越智安房の討死に伴い急遽陣代となると、大内軍を敗走させた。
 三島水兵たちから女神の鶴姫として絶大な畏敬を集める。

●陶五郎隆房 (すえ ごろう たかふさ)
 大内家の若き筆頭家老。周防国守護代、周防若山城城主。
 二十三歳の若さながら、その「周防の虎」の勇名は中国全土に轟く。
 弘中隆包と無二の親友で、その弟・舵之丞を可愛がっている。
 後の陶晴賢。

●越智左京安成(おち さきょう やすなり)
 三島水軍の参謀。越智鶴らと同じく伊予越智の一族。
 戦術・交渉に長け、陣代の鶴の傍らで三島水軍を導く。
 幼馴染の鶴に仄かな想いを寄せている。

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