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モコ 2026/11/04 公開 2026/11/04 13:35 更新
28歳の牧瀬透は、かつて祖父が営んでいた小さな雑貨店を閉店させたことを、ずっと後悔していた。
ある日、目を覚ますと、そこは異世界の寂れた商店街。
空き家だらけの街、活気を失った住人。そして広場の時計塔には、奇妙な文字が浮かんでいた。
【この都市の未来は、残り90日で消滅します】
その世界では、すべての人間が人生で選ばなかった未来が、目に見えない場所に蓄積されていた。
「もしも、騎士ではなく料理人になっていたら」
「もしも、あの日故郷を離れなかったら」
「もしも、夢を諦めていなかったら」
透が手に入れたのは、そんな捨てられた可能性を買い取り、別の誰かに一日だけ貸し出せる能力だった。
ただし、借りた能力も道具も、翌朝には消えてしまう。
最初はたった一軒の小さな商店。
だが、職人の技術、忘れられた発明、諦めた夢を人々につないでいくうちに、滅亡を待つだけだった街が再び動き始める。
そして透は知る。
この世界が滅びかけているのは、魔王のせいでも、戦争のせいでもない。
誰かが、世界中の人々から「選ぶ権利」を奪い続けているからだった。
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