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ミサキ 2021/09/11 公開 2021/09/11 17:19 更新
中学校の教室で俺と少女は抱き合っていた。まるでこの世界に二人しかいないような静けさに包まれた教室で、聞こえるのはお互いの呼吸音と、心臓が脈打つ音だけだった。
まるで無限にも感じたその時間は、下校所間を知らせるチャイムが鳴ることで急に終わりを告げた。
「帰らなきゃ。」
そんなつぶやきとともに、少女は消え、少年の体には今まで肌を重ねていた温もりだけが生々しくも残っていた。
目を覚ますとそこは、見慣れた高校の教室だった。
好き嫌い。ヒエラルキー。偏見と差別。
そんな最低の言葉がはびこる教室。
自分とかかわる人間がクラスからハブかれ、陰口をたたかれる。
クラスメイトのほとんどに目を合わせてもらえず、腫物を扱うような状態。
クラス1の嫌われ者、芦名拓真。それが俺だ。
どうやらいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
そして目の前には何枚もの原稿が散らばっていた。
手書きで何度も書き直された原稿。誤字や脱字、訂正の跡が残る紙。
これは俺の弁論であり、自分への戒めであり、もう会えない少女への手紙だ。
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