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キエツ ナゴム 2026/10/20 公開 2026/10/20 18:10 更新
「あなたは顔は良いのだから、黙って頷いておきなさい。才の無いあなたが不幸に陥らずに過ごすためには、従順でいることに心血を注ぐのです」
十年前、母様にそう言われた私は、従順な姫君で居続けて来た。
婚約者が幼馴染を優先しようと、私との約束を破ろうと、笑顔で頷き、決して逆らわなかった。
そんなある日、ふざけたことに、彼は婚約破棄をついに婚約破棄を言い渡された。
「かしこまりました。では、私が担っていた外交上の務めや宮廷儀式への出席も、リリアーヌ様にお引き継ぎいたします」
私はあっさりと婚約を解消し、王都を去ることにした。
——これでようやく、自由になれる。
そう安堵していた帰り道、私の前に現れたのは、かつて心の支えとなってくれた少年だった。
六年ぶりに再会した彼は、今や隣国の第一王子。内戦を乗り越え、間もなく国王に即位するという。
そして、私の婚約破棄を知った彼は、思いもよらぬ言葉を口にした。
「自国の王から、隣国の王への鞍替えなんていかがです?」
母様。私は今回も、黙って頷いておけばよろしいのでしょうか?
これは、従順でいることしか知らなかった公爵令嬢が、かつて救った少年と再会し、思いがけない幸せを掴む物語。
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