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上止正 2026/05/26 公開 2026/11/01 19:40 更新
(第3章完結)
故郷は、霧の夜に滅んだ。
ある日、王国の要衝であるクローデル領は謎の組織の襲撃に遭う。
領主は殺され、領民は魔物へと変貌し、街は霧に沈んだ。
生き残った僅かな領民は、王都へと避難することになる。
数年後、一人の少年が王立学園に入学する。
剣の腕があり、多少の弁は立つが、魔法がほとんど使えない平民の少年。
平日は学園で学び、休日は冒険者として秘密の生計を立てている。
彼こそがクローデル領主の嫡男──ノルンである。
クローデル領は今も霧に沈んだまま。
生き残った領民は王都で強い差別を受けている。
そして自身も霧の日に刻まれた呪いに苦しめられている。
これらはすべて、謎の組織《クラック》によって仕組まれたものだった。
しかし、その正体は掴めない。
誰が敵で、誰が味方なのかも分からない。
領地奪還、難民救済、そして《クラック》への復讐。
これらを果たすため、ノルンは身分を隠して学園に潜り込み、情報を集める。
数々の出会いが、ノルンの人生を大きく動かしていく。
王国の王女で、才媛と名高きフェリシエル。
エルフの少女で、凄腕の冒険者のルクレツィア。
隣国の宗教国家から流れ着いてきた元異端審問官のヴィクトルと、死霊術師のネリネ。
クローデル領の事件は始まりにすぎず、やがて大陸全土を巻き込む未曾有の大事件へと変貌していく。
正義とは、人間の価値とは、神の救いとは。
霧に故郷を焼かれた少年は、ちっぽけな知恵を武器に、霧の奥へと踏み込んでいく。
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