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フミえるる 2026/10/18 公開 2026/10/25 01:00 更新
魔王を倒し、王都へ凱旋した勇者一行。
祝勝会の席で、勇者がふと疑問を口にした。
「そういえば、俺たちはどうやって魔王城までたどり着いたんだ?」
誰も答えられなかった。
魔王城への道を切り開いた仲間がいたはずなのに、誰もその存在を覚えていない。
記録にも、歴史にも、彼女の名前はなかった。
ただ一人、勇者一行の記録係である俺だけが、彼女を覚えていた。
リゼット。仲間たちと旅をした、大切な友人。
彼女の存在を確かめようと調べ始めた俺は、六人で旅をしたはずなのに、物資の記録も、戦闘の痕跡も、どこか噛み合わないことに気づく。
そして、仲間の一人が消えた。
昨日まで共に笑い、酒を飲んでいた戦士が、誰の記憶からも、あらゆる記録からも消えてしまったのだ。
次は治療師。その次は魔術師。
仲間たちは一人ずつ、世界から忘れ去られていく。
なぜ俺だけが覚えているのか。
魔王討伐の旅で、いったい何があったのか。
そして、俺たちは本当に魔王を倒しただけだったのか。
調査の果てにたどり着いたのは、魔王が死ぬことで解き放たれた、世界を蝕む異変と、俺自身が忘れていた罪だった。
仲間を取り戻すためには、隠された歴史を明らかにしなければならない。
だが、真実を暴くだけでは、消えゆく仲間たちを救えない。
これは、世界から忘れられた仲間たちを探す旅。
そして、彼らを忘れることを選んだ俺自身が、もう一度その罪と向き合う物語。
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