ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 19
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 44
- 平均評価
- 8.77
- 週間読者
- 2,192
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
熾星 2026/10/18 公開 2026/10/18 16:00 更新
母に勧められたお見合いにうんざりして、私は隣の席にいた見知らぬ男性に結婚を申し込んだ。
「突然すみません。あなたもお見合いが嫌なら、私と結婚しませんか?」
自分でも何を言っているのかと思った。ところが、細い金縁の眼鏡をかけたその人は、少し驚いたあと、笑ってうなずいた。
「いいですよ。あなたが本気なら」
しかも彼の鞄には、記入前の婚姻届まで入っていた。
その日のうちに必要な書類を揃え、証人二人にも署名してもらった。桜ヶ峰市役所で婚姻届が受理されたときは、自分の名字が高瀬に変わったことさえ、まだ実感できなかった。
夫になったのは、二十九歳の高瀬悠人。仕事はプログラマーだという。
若葉町の古いマンションで暮らし、朝はコンビニでおにぎりを買い、仕事帰りには自転車で駅まで迎えに来てくれる。
そんな暮らしが、私はけっこう気に入っていた。
ところがある日、勤め先にグループ本社の社長が来ることになった。
役員たちに囲まれてロビーへ入ってきたのは、仕立てのいいスーツを着た若い男性だった。見慣れた金縁の眼鏡に気づいた瞬間、私は手にしていたペンを落とした。
毎朝、台所でお粥を作ってくれる夫が、そこにいた。
慌てて給湯室へ逃げ込むと、ほどなくしてドアがノックされた。
「美咲、いる?」
恐る恐る開けると、悠人が立っていた。
「た、高瀬社長……」
彼は困ったような顔をした。
「驚かせてごめん。ちゃんと説明させてほしい」
昨日まで同じ食卓を囲んでいた人が、目の前でグループの社長として立っている。
何から聞けばいいのか、わからなかった。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…