歴史 連載中・全20話

「羽衣の里」~戦国武将南条元清の生涯~

可世木宏 2014/07/18 公開 2026/09/23 02:34 更新

あらすじ

 戦国乱世において、東伯耆の国(現在の鳥取県中部湯梨浜町)の河村郡松ヶ崎城にて生を受け、久米郡岩倉城主として兄南条伯耆守元続を支え、毛利と織田の勢力抗争の中でも領国を守り抜き、六十四年の生涯を善く生きた。
 秀吉の朝鮮出兵では、南条勢千五百の兵と共に朝鮮に渡海し、加藤清正の危機を救った。
 関ヶ原の戦いでは、攻め寄せる肥後熊本の加藤清正の軍勢から、小西家宇土城を守り抜く。
 その後は、旧友加藤清正に乞われ、加藤家の客将として知行六千石で迎えられた。
 二人の間には、「徳川政権から、豊臣秀頼を守る」密約で固く結ばれていた。
 清正の遺言で、秀頼の守護を託された南条元清は、出家し名を南条元宅と改め、開戦まじかの大坂城に出向くため上京するが、道中でにわかに発病し、京都で療養の甲斐なく生涯を終えた。
 困難な時代背景の中で、元清の生涯を通じて郷土愛、兄弟・家族愛を全うした生き方には、今でも学ぶべき事が多い。戦国時代の狂乱の中でも、私利私欲に溺れる事も無く、自身を抑制し、時代に翻弄されることも無く、晩年を汚す事もなかった。東伯耆三郡の領主として統治した期間は短かったが、羽衣の里(湯梨浜町東郷湖周辺)の情景を想うたび、故郷に帰還できなかった寂しさを心に秘めたまま、京都で生涯を終えた事を想うと心が痛む。戦国乱世を生抜いた、東伯耆武将南条元清の生涯を通じて、その生き方に現代でも学ぶ事は多い。そこには、郷里を守ろうと必死に生きた多くの武将の姿があった。

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