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ねこまんまときみどりのことり 2024/12/01 公開 2025/01/28 19:02 更新
ある雨の街角に、傷ついて地に横たわる小さき者をみつけた。私は護衛と馭者、私を監視する者に言う。
「この娘を私の家へ運びなさい。今は素性など考えている場合じゃないわ」
護衛のダドリーは小さき者を抱えたまま馬車に乗り込む。私はそのまま座るように命じた。運転は監視者と馭者がいれば十分だ。
馬車は再び酷い雨の中を走り出す。
私は確かに公爵家の娘だけれど、愛人と本邸に住まう父から嫌われて別の場所で暮らしている。本邸からかなり離れた森の中の家だ。
母はもうとっくに父に愛想を尽かし、離婚できないならと外国に渡っていた。愛する護衛騎士と一緒に、語学を学ぶ為だと言って。その彼との間に娘がいるらしいが公爵家では認知されていない。下手に騒げば全員いなくなることだけは理解しているらしい。
だから私のまわりには護衛1人と侍女1人、馭者1人、他に父が私に付けた執事と言う名の監視者が1人いる。
そして今日。
先ほど拾った小さき者を邸に入れた。
彼女の体は冷たく虫の息だ。
弱りきった痩せた体で雨に打たれていたのだ。
そうなるのも当然のこと。
護衛のダドリーは治療の心得があるから対応を任せた。
彼は妻である侍女マリアに濡れた体を拭かせ、着替えをさせた。小さき者は意識がなく脱力したままだったが、それをものともせず丁寧に身なりを整える。
ダドリーはその間に湯を沸かし、解熱剤と湯タンポを作っていた。薬草を潰した薬汁をガーゼで口に含ませる。飲み込めないから、舌で吸収させるだけだ。そして冷たい体を保温することに努めた。
あのままでは確実に命を落としていたはずの小さき者は、この日一命を取り留めたのだ。
今日のこの出会いが、2人の運命を変えていくのだった。
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