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noel 2025/11/30 公開 2026/10/02 22:44 更新
長年の不作と、赤の国に起こる50年に一度の炎竜の加護による大干ばつを前に、青の国は赤の国へ侵攻を決めた。
青の王子サフィルスが先陣を切った目的は、他国の加護を手に入れることではなかった。かつて出会い、心を寄せた赤の国の姫ルビーナが、その年に炎竜への生贄として捧げられる運命を知っていたからだ。儀式を阻止し、彼女を救い出すこと――それがサフィルスの真の思惑だった。
しかし、戦いは開戦することなく終わる。突如として立ち上った金色の炎の柱は、青の軍勢の無力を兵たちに悟らせた。サフィルスは赤の国に囚われ、そして彼の祖国は報復によって滅亡する。
死を覚悟したサフィルスが謁見の間で見たのは、燃えるような赤い髪と金色の瞳を持つ、炎を体現するかのような女帝の姿だった。それは、かつてサフィルスが想いを寄せた、儚げな少女の面影を微塵も残していなかった。
「ごきげんよう。青の王子サフィルス様。炎帝ルビーナにございますわ」
彼女は、炎竜を従え、自らを「炎帝」と名乗る。そして、サフィルスに告げた一言は、死刑宣告ではなく、予想だにしないものだった。
「あなたは今からわたくしの夫になるのです。そのためにわたくしは力を手にしたのです」
生贄の運命を跳ね除け、世界を変貌させた女帝と、祖国を滅ぼされ虜囚となった王子。彼女が手に入れた“力”と、サフィルスへの“誓い”が、二人の運命と世界の未来を大きく揺さぶる――愛と支配のダークファンタジー。
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