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滝丸 2026/03/26 公開 2026/06/26 20:10 更新
歴史が語らぬ「徳川家康」の正体。それは、地獄を歩む一人の『弟』だった。
元亀三年、十二月。三方ヶ原の泥濘(ぬかるみ)の中で、徳川家康は死んだ。
徳川の屋台骨を支える石川数正が下した、あまりに非情な決断。それは、家康と瓜二つの顔を持つ隠し弟・五郎を、身代わりに仕立てることだった。
寺で育った心優しい青年は、その日から「名前」を失い、兄の「影」となる。
兄の愛した人を遠ざけ、
兄の慈しんだ子を突き放し、
兄の正室からは「偽物」と蔑まれる。
家臣を欺き、織田信長の鋭い眼光をいなし、武田の猛攻を采配でねじ伏せる。
嘘を真実に変えるため、五郎は人間としての魂を削り、冷徹な「怪物」へと変貌していく。
「数正、天下を、とったぞ。私は家康になれていたか?」
これは、一人の影武者が「徳川家康」という仮面を墓場まで被り続け、戦国という盤面を塗り替えていく、孤独と執念の記録。
※本作は史実を基にしたフィクションであり、独自の解釈と演出を加えております。
作中に登場する古文書や、登場人物が詠む一部の和歌は、本作独自の創作です。
また、歴史上の言葉や伝承についても、物語のテーマに沿った独自の解釈を施している箇所がございます。
通説とは異なる「もう一つの徳川記」としてお楽しみください。
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