ノンジャンル 短編

ゲンロンSF創作講座 便乗小説#01「セヴンティ」プロット&アピール

沖田 征吾 2016/04/09 公開 2016/04/19 08:16 更新

あらすじ

※note, カクヨムに重複投稿

●プロット●

「2050年、1月1日は私の誕生日で、70歳、1980年生れの、セヴンティ。『除夜の鐘アプリ』は人間味がないけど、外出は禁止されて、どうにも窮屈な世の中だ。物を持たないシンプルな暮らし。ARを使えば、豆腐のようなのパックフードもおせち料理に見えて、悪くない。お友達は、botとさほど変わらない、旧世代の人工知能くらい。就寝時間を知らせるアラームがうるさくなってきた。やれやれ、私は勤労女性だ」
 70歳の浅樹まなみは、シニア人材センターの勤労高齢者。松濤の高層ビルで、一日中仮想世界に繋がる若者たちへ食事を与え、身体を拭き、様々な世話をする。休日には、高齢者や移民の集まるショッピングモールへと出かけ、過去の平成文化とファッションを楽しんでいる。
 ある日、怪我をしたまなみは、移民二世のリハビリ医、クラヴィスに会う。彼は移民の地位向上を願い、日本の若者たちを相手にテロを計画していた。VRリハビリの催眠プログラムにより、まなみはクラヴィスに同調していく。彼女はやがて、逆に彼をコントロールしはじめ、彼を脅迫し、セックスを強要する。70歳での初体験だった。
 空疎にみえた二人の計画は、スマホと既存SNSのサービス終了の決定で、急速に高齢者層の協力者を獲得していく。「洗脳」に使うのは、古き良きソーシャルゲーム。強い理想と目的意識によりテロへ導くのではなく、逆にテロを日常のルーチンの段階にまで引き下げる。神、天皇、共産主義……至高の存在を必要としないが、絶対的な行動。その中心には空虚しかなく、実行者はなぜ自分がそれを行ったのかも説明出来ない。
 ただ、まなみだけは17歳の少女のように、クラヴィスに恋をして、自爆を決意していた。だからこそ、彼女自身は失敗するだろう。テロは起きたが、生き延びたまなみ。彼女は拘置所の中でも、これまでの生活となんら変化を感じないのだった。

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