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植木天洋 2020/09/20 公開 2020/09/20 16:00 更新
ほおずき市があると、夏が近づいてきたという気持ちになる。その頃には空気がねっとりと重くなり、湿気をはらんで少し甘い香りがする。あ、夏がくる、と思う。
彼と一緒にほおずき市にいった。近所にある大きな神社で行われている。神社に近づくにつれ、すでにほおずきを手にした中年の男女とすれ違う。これからほおずき市にいこうと、私達と同じ方向に歩いている人達もいる。
浴衣を着た女の子に目をとられながら歩いていると、あっという間にすれ違うのも一苦労というほどに人が増え、夕暮れを吹き飛ばすような暖色の明かりがあちこちを照らしている神社にたどり着く。
神社の境内に入ると、鉢に入ったほおずきがずらりと並べられ、威勢のいい声が上がっていた。鮮やかな橙色のほおずきがひしめき合い、次々に売れていく。少し離れたところに、焼きそばやチョコバナナなど、お祭りではおなじみの出店も並んでいる。子供たちが親の顔を見上げて、自分が欲しいものを指さして見せている。
「行っちゃうよ?」
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