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ありんこ 2026/07/15 公開 2026/07/17 21:00 更新
無旗将から届いた十二通目の停戦書には、四万八千二百四人の名が記されていた。
王国軍の誓印師リゼット・エイルは、七日間だけ開かれる《白い停戦回廊》の監督を命じられる。
本来その停戦は、負傷兵と捕虜を交換するためのものだった。
だが、敵国の名もなき将《無旗将》が求めたのは、国境都市カレルに取り残された住民全員の退避。
王国にも帝国にも疑われ、どちらからも守られない人々。
歩けない者、戸籍のない子ども、故郷の鍵を捨てられない老人、まだ名もない赤子。
その数、四万八千二百四人。
七日目の最後の鐘が止めば、回廊は戦場に戻る。
その時、二つの軍が都市も人々も飲み込むだろう。
リゼットに下された命令は二つ。
「危険な者は切り捨てろ」
「無旗将が脅威となれば殺せ」
けれどその敵将は、過去三年間、十一度の停戦で一度も約束を破らなかった男だった。
国の命令か。
目の前の命か。
信じてはいけない敵か。
それでも信じたい、たった一つの約束か。
これは、誰かを救うために誰かを数から外す世界で、最後の一人まで置いていかないと決めた七日間の物語。
最後の鐘が止む前に、彼らは白い回廊を渡り切れるのか。
【更新について】
*本作は全6話完結の短期連載です。
*7/15(水)〜7/17(金)にかけて、各日19時・21時の1日2話更新で投稿予定です。
*リアクションや評価をしてくださると今後の制作の励みになりますので、よろしくお願いいたします。
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