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秋葉 詩 2026/10/07 公開 2026/10/09 17:10 更新
――問題児しかいない研究室が、世界の魔法常識をひっくり返す――
十五歳の《魔法覚醒の儀》でレインが授かったのは、《波魔法》。
炎も出せない。雷も落とせない。
ただ弱い波を起こすだけ。
判定――Fランク。
実際、初めて撃った波の威力はたったの「2」だった。
だが、前世で普通の日本の高校生だったレインには、一つだけ引っかかることがあった。
「……威力2なのに、なんでこんなに魔力が減ってるんだ?」
弱いんじゃない。
力が広がって、散っているだけなんじゃないか?
試しに波を一点へ集めてみる。
――バキッ。
さっきまで揺らすことしかできなかった木板が、真っ二つになった。
「……これ、本当にFランクか?」
波は反射する。
重なれば強くなる。
障害物の裏へ回り込む。
同じ揺れを与え続ければ、硬い物さえ壊せる。
公式なんて覚えていない。
現象の名前だって、たまに出てこない。
それでも――使えればいい。
壁を使って死角から攻撃し、巨大な盾の裏へ波を回し、格上の魔法を崩し、魔法剣の《壊れやすい揺れ方》を見つけて砕く。
最弱と笑われた《波魔法》は、弱かったのではない。
誰も使い方を知らなかっただけだった。
そしてレインの周囲には、いつしか学院で「ハズレ」と呼ばれた連中まで集まり始める。
物をくっつけるだけの《接着》。
色を変えるだけの《着色》。
見たものを正確に残すだけの《記録》。
強面なのに研究室のお母さん。
自称・悪の天才魔導士。
数字しか信じない記録狂。
そして、なぜか勝手にレインを神格化しようとする男。
「……なんで変なのばっかり集まってくるんだ?」
だが彼らの魔法にも、本当の価値があった。
学院の片隅で笑われていた問題児研究室は、やがて世界中の魔法使いが注目する場所になっていく。
そして研究を続けたレインは、さらに大きな事実へ辿り着く。
音も波。
光も波。
そして――魔法そのものにも、《波》がある。
これはFランクと判定された少年と濃すぎる仲間たちが、ハズレ魔法の常識を次々に覆し、やがて世界の魔法そのものを塗り替えていく物語。
※カクヨムでも連載しております!
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