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白露 鶺鴒 2026/09/04 公開 2026/09/04 21:10 更新
侯爵家の一人娘、アイシアには王命によって定められた婚約者がいる。
婿入りするはずの彼には、幼い頃から想い合う恋人がいた。
「婚約を破棄するなら、俺を養子にして次期侯爵にしろ」
婚約者と恋人、そして第一王子までもが、アイシアに侯爵家を明け渡せと迫る。
――血が繋がっているのだから問題ない。
ならば、その理屈を王家にも返しましょう。
アイシアの母は、大帝国の皇族。
そしてアイシア自身もまた、帝位継承権を持つ血統だった。
一方、王子は七年前の誘拐事件をきっかけに帝国を憎み、心地よい言葉をくれる幼馴染たちを側に置くようになっていた。
正しい言葉を告げる者を遠ざけ、自分を肯定する者を信じ、周囲もまた王子の機嫌を損ねまいと沈黙する。
その積み重ねが、やがて国そのものを揺るがしていく。
侯爵家を奪おうとした婚約者。
それを許した第一王子。
そして、王子の言動を諫めることなく見過ごした王家。
気づいたときには、貴族も軍も王家を見放し、帝国までもが動き始めていた。
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