現実世界恋愛 短編

「探さないでほしい」と婚約者が書き置きを残して消えたので、婚約指輪を質屋に売りに行ったら、店主に「これは売らないほうがいい」と言われました

みぎみみ 2026/10/30 公開 2026/10/30 19:10 更新

あらすじ

「ごめん。海の向こうの国で、どうしてもやりたい仕事が見つかった。探さないでほしい」
式の二か月前、婚約者は書き置き一枚と、婚礼の資金の金貨八十枚とともに消えた。

一年後。引っ越しの費用に困った司書のナタリーは、あの夜の婚約指輪を、下町の古い質屋に持ちこんだ。
拡大鏡で長いこと指輪を見ていた無口な店主は、箱をそっと押し戻して言った。
「これは、売らないほうがいいと思います」

婚約者が「僕の給金の三か月分だ」と言った指輪の値段は、銅貨十枚。
笑いながら泣く彼女の前に、店主は黙って麦湯を置いた。

※約1万字の読み切り短編です。ざまぁは軽め、最後は甘く終わります。

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