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久方久米 2026/10/16 公開 2026/10/21 19:11 更新
「おはようございます。……あの、あなたは誰ですか?」
朝起きるたび、愛した記憶も、告白した言葉も、すべてが泡のように消えていく。
記憶が二日間で消えてしまうという理由から、完璧な聖女でありながら婚約破棄と追放を言い渡された公爵令嬢。
傭兵である俺は、ひょんなことからそんな彼女の護衛を引き受けることになった。
最初は仕事のつもりだった。だが、命懸けで戦い、無邪気に笑い、そして記憶を失う彼女を見ているうちに、俺の心は完全に奪われていた。
「好きだ。俺のそばにずっといてくれ」
一世一代の告白をした、その翌朝。
彼女の口から出たのは、冷酷なまでに他人行儀な「どちら様ですか?」という一言だった。
積み上げた信頼も、温もりも、すべてが『ゼロ』に戻る。
普通なら折れる。諦める。だけど──。
「何度忘れてもいい。お前が忘れるなら、俺が何度だって思い出させてやるよ」
これは、記憶を失う聖女に、何度でも恋をし続ける傭兵の物語。
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