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Salhi smail 2026/07/16 公開 2026/10/30 03:41 更新
血と力だけが人の価値を決める世界で、ヤザンはケメンを持たずに生まれた。
彼が育ったのは、アイン・アルワールという小さな村。
しかし、誰も彼を名前で呼ぼうとはしなかった。
人々にとって彼は「呪われた女の息子」。
そして、アルマザが恐れる“扉”を開きかねない血を受け継いだ、罪人の忘れ形見だった。
ヤザンが望んでいたものは、ただひとつ。
呪いでも、過ちでもなく、ひとりの人間として生きること。
そんな彼の前に、影を操る男――シャミル・ガスカンが現れる。
過去を知りながら多くを語らないその男との出会いによって、ヤザンを縛っていた偽りは少しずつ崩れ始める。
母ラヒールは、本当に呪われていたのか。
父ライスは、本当にただの罪人だったのか。
そして、自分の中に流れる血は、本当に隠すべきものなのか。
やがてヤザンは騎士学院へ送られる。
そこには、炎、水、風、闇――異なる血と力を受け継いだ一族の子どもたちが集まっていた。
ただ一人、ケメンを持たないヤザン。
学院で出会った仲間たちは、彼の運命を変えていく。
その一方で、彼の正体を知らないまま、彼を危険視する者たちも動き始める。
黒の帳。
ハガリスの禁じられた実験。
そして、アルマザを覆う最高司令官ハマンの影。
やがてヤザンの名は、小さな村に残る呪いから、帝国そのものが恐れる秘密へと変わっていく。
これは、ただ力を求める少年の物語ではない。
誰にも聞かれなかった痛みと、アルマザが葬ってきた真実に、ひとりの少年が向き合う物語だ。
ヤザンは、本当に止めるべき呪いなのか。
それとも、閉ざされた真実の扉を開く――
「血の継承」なのか。
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