純文学 短編

未踏 19号 「ある死刑囚との対話」

山口和朗 2017/03/28 公開 2020/03/08 15:04 更新

あらすじ

  「ある死刑囚との対話」

 罪も無い者を殺した、殺されたものは帰って来ない、無念、殺しても殺し足りないと、残された者は言い、一人で行った殺人、一人で背負わなければならない罪、絶たれた絆、疎外された生命、かつて文学において、どれだけ殺人のモチーフが描かれたことか、そこにある人の懊悩、人の意味、作家は殺人を犯すことなく、ただ考察で描くばかり、いま私においても、貴方を考えることで、辿るばかり、私は自分の父が獄死したこと、嘗て癌の宣告を受けたこと、これら二つの体験があって、世界を見ようとしている、一体これらは何だろうと考えるばかり、歴史に、戦争が絶えることは無い、人は戦争という罪を、死刑囚のようには考えない、罪を個人では背負わない、実存とは、不条理の理解ではなく、不条理を知ったその後の行為であるとカミュは言っていたが、その行為の後の人の心と言うもの、全ての実存に通じているように思える、それこそが実存の出発点、入口のようにも思える、

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